LILIUM

リリウム

これまでの進化を確実に反映して生まれた、スピーカーへの新たなアプローチ。

コンセプト

リリウムのキャビネット全体は、断面が竪琴のような形状を成す「ライラ・シェイプ」を基本コンセプトにしています。積層木材を成型、部分によって厚みを変え、3つの曲面を持たせることによって内外振動の拡散・ダンピングを図ったこのデザインは、断面がリュート型になる「リュート・シェイプ」をさらに進化させた、ソナス・ファベールの新たなスピーカー造形です。大型フロアスタンディング・システムにふさわしい、雄大で精度高い低域再現を目指し、リリウムではこのライラ・シェイプふまえながら、これまでと大きく異なるアプローチを導入しました。

それは、メインの再生帯域を受け持つエンクロージャーと、低域再生用のウーファー・エンクロージャーを完全分離した「デュアル・エンクロージャー」構造。音楽における様々な「対比」を表現するためにたどりついた方法論です。

低域を担う260mm 口径ウーファーをウーファー・エンクロージャー底面に、パッシブ・ラジエーターを上面に、それぞれメイン・エンクロージャー各ユニットの音波放射軸とほぼ直角になるよう配置することで、直接・間接の相互干渉を回避するという画期的な方式としています。

制振技術

迫真の音楽再生を実現する上で大きな阻害要因となる様々な振動。リリウムでは、メイン、ウーファー、いずれのエンクロージャーも内部補強桟を強化して、スプリアス振動や定在波を排除、ライラ・シェイプ・デザインのメリットをこれまで以上に引き出すことに成功しています。
メイン・エンクロージャーは、近年のソナス・ファベールの研究成果の一つである「ステルス・リフレックス・システム」を採用した非振動ベンテッド・ボックスとしています。

しかも、各キャビネット上面と底面に、CNC加工・陽極酸化処理を施した航空機用金属製の「T.M.D.=質量調整ダンパー」を装着。T.M.D.は、それぞれ逆相で振動することによって微振動を相殺する特殊なデバイスで、エンクーロジャーを上下から金属で挟み込むこの手法が、キャビネット壁やドライバー・ユニットから伝わる構造的な微振動を抑制します。

さらに、ウーファー・エンクロージャーでは、内部を垂直に貫くスチール・ロッド「魂柱=アニマ・レガータ」が上下のT.M.D.を強固に連結、制振用の高速な機械的インターフェースとして機能し、残留する微振動をT.M.D.に伝えます。

底面に用いられ、デュアル・エンクロージャーの振動を拡散・吸収する T.M.D.
ウーファー・エンクロージャー内部の補強桟と、上面・底面のメタル・パーツを結ぶ「アニマ・レガータ」用の孔

中高域

ツイーターは、クラシックなドームとリング・ラジエーターを融合した独自の「アロー・ポイントDAD(ダンプト・アペックス・ドーム)」。ネオジム磁気回路による28mmムービング・コイル・ドライバーを採用し、超高域に至るまでダイナミックでリニアリティーに優れた再現性を発揮します。
リア・チェンバーは木製のアンチ・レゾネーターをそなえ、ユニット共振を抑え込んでいます。ミッドハイは、ツイーターとともにフロント・バッフルから分離・最適化したアコースティック・チェンバーにマウント。ダイアフラムは、セルロース・パルプ、カポック、ケナフなどの自然繊維をブレンドし、自然乾燥させた素材によるカスタム設計で、高粘度の透明ダンピング材をコーティングすることによりコーンの残留色づけ成分を排除。
その下方に3本並ぶミッドバス・ドライバー・ユニットは、いずれも180mm口径で、ハイテク・シンタクティック発泡材をセルロース・パルプ材で挟むサンドウィッチ構造ダイアフラムとして、軽量かつ剛性の高い、低域再生に最適な設計になっています。

低域

ウーファー・エンクロージャーに搭載されたウーファー、そしてこれと対を成すパッシブ・ラジエーターの2本も、もちろんソナス・ファベール特製です。
まずウーファーは、最適にチューニングされた独立チェンバーにマウントされ、ウーファー・エンクロージャー底面に下向きで配置されています。軽量ハードペーパー材による高剛性260mm口径コンポジット・サンドウィッチ・コーンで、2.5インチの大型ボイスコイルをそなえた、きわめてパワフルなロングスロー磁気回路がこれを駆動します。ウーファー・エンクロージャー上面に上向きで配置され、ウーファーの背圧に呼応するパッシブ・ラジエーターはウーファーと同素材としているため、音色上まったく色づけなく低域をナチュラルに拡大します。
また、この2つのユニットが繰り出す低域の音圧は、リアパネルのノブにて調節可能。リスニングルームの音響条件に合わせて、低域の力感を最適に設定することができます。

ネットワーク

これらのドライバー・ユニットをスムーズにつなぐ各帯域のクロスオーバー・ネットワークにも、アイーダ、新世代エクストリーマに導入された新たなソリューションを惜しみなく適用。
ドイツ・ムンドルフ製「シュプリーム・シリーズ」コンデンサー、デンマーク・ヤンツェン製コイルなどパーツを厳選した上で、周波数とリスニングルーム特性との関係を最適化するフィルター設計に徹し、さまざまなアンプとのマッチングを考慮して低域周波数におけるインピーダンスを最適に制御、各ドライバー・ユニットの力を最大限に活かしています。また、いずれも共振の影響を受けることがないよう、対策を施した上でリジッドに固定されています。

仕上げ

3種類の仕上げをラインナップ。
以下画像:左からWalnut / Red / Wenge。
いずれもハイグロス・フィニッシュ。

デザイン

伝統と革新を融合するソナス・ファベールの姿勢は、設計段階から組み上げの段階まで一貫しています。
キャビネットやドライバー・ユニットの開発・設計に始まるほとんどのプロセスが、ヴェネト州ヴィチェンツァの工房で進められています。

ユニットやネットワークの取付もソナス・ファベールの職人が作業
熟練の職人にしか成せない革張りの技術

スペック

・形式
 3.5ウェイ6スピーカー+ パッシブ・ラジエーター
 フロアスタンディング型
・使用ドライバーユニット
 ツィーター:28mmアローポイントDADシルク・ソフトドーム型
 ミッドハイ:180mmファイバー・コーン型
 ミッドバス:180mmファイバー・コーン型×3
 ウーファー:260mmコンポジット・コーン型
 パッシブ・ラジエーター:260mmコンポジット・コーン型
 クロスオーバー周波数
 80Hz / 250Hz / 2.5kHz
・周波数特性
 20Hz ~ 35000Hz(ステルス・リフレックス含む)
・出力音圧レベル
 92dB SPL(2.83V/m)
・公称インピーダンス
 4Ω
・推奨アンプ出力
 100W ~ 800W(クリッピングなし)
・スピーカー端子
 トライワイヤリング対応
・寸法
 幅491×高さ1600×奥行705mm
・重量(1本)
 103kg
・キャビネット仕上げ
 Walnut/ Wenge / Red
 (ハイグロス・フィニッシュ)