Olympica Nova Ⅴ

オリンピカ・ノヴァ5

偉大なる建築家”アンドレア・パラディオ”に捧げる、シリーズ・フラッグシップ・スピーカー

デザイン

キャビネット断面を弦楽器の原型たるリュートの形に似せた「リュート・シェイプ」、スピーカーの歴史に新たなページを開き、その後、竪琴のような断面をそなえる「ライラ・シェイプ」、そしてこの流れから、最初の“オリンピカ”が体現する「エンハンスド・ライラ・シェイプ」が生まれました。
それは、ソナス・ファベール初の試みとなる左右非対称デザイン。内部の平行面をなくすことで定在波を排除し、内部共振を大幅に低減する手法でした。“オリンピカ・ノヴァ ”は、純度高い音楽再生に寄与する、この独創的・革新的キャビネット造形を継承しています。

キャビネット材は、“オマージュ・トラディション”や“アイーダII”など、近年のソナス・ファベールの傑作にも採用されたプライウッド構造。厚みの異なる木材シートの木目を直行させながら8層重ねてプレス機で加圧し、美しくも強靭な曲面に成型しています。キャビネット内部には、3ヶ所にわたって木材リブを配置、構造全体を支持するとともに共振を抑えています。仕上げ材はウォルナットとした上で、7層に及ぶ入念なラッカリングによって、旧 “オリンピカ”でも印象的だった半光沢フィニッシュを施しました。
ウォルナット突板材の接合部には、デザイン上のワンポイントとして、また振動のダンピングを目的としてクリア・メイプル材を使用。異種木材を巧みに組み合わせて、木の響きを活かしながら不要振動を低減する技と、音楽を奏でる楽器としてのスピーカーの美しさを両立するソナス・ファベールの手法は、またしても新たな段階を迎えています。

バスレフ・ポート

“オリンピカ・ノヴァ ”のバスレフ・ポートは、近年のソナス・ファベールが開発し、磨きをかけてきた革新的な手法を採用しています。その名は「ステルス・ウルトラフレックス」。「ラミナー・フロー」と呼ばれる伝統的な空気力学の考え方をもとに、垂直方向に配したポートによって気流を制御する「ステルス・リフレックス」の発展形です。

旧 “オリンピカ”では、ポート出口に多孔ステンレススチール・プレートのリフレクター板を設けることによって気流の反射・拡散を制御していました。一方、“オリンピカ・ノヴァ ”では、オマージュ・トラディション”シリーズにも搭載されたアルミニウム押し出し成型のポートを採用。波形の断面を持つこの垂直ポートが、気流の乱れを最適に制御してポートノイズを極小化することで、低域再現性の向上を実現しています。

全ドライバー・ユニットの背圧は、内部平行面のない形状のキャビネット内を渦巻くように流れ、この「ステルス・ウルトラフレックス」ポートから放射されます。左右のスピーカー位置を入れ替えることで、キャビネット斜め後方に設けられたこのポートが外側・内側のいずれかに向くことになるため、リスニングルームの音響条件に応じて低域レスポンスを調整できるのも大きなメリットです。

キャビネット天面
キャビネット天面の内部スケッチ図。
バスレフポートがそれぞれのキャビネットに左右対称、且つ垂直に設置。

制振技術

キャビネット全体は、天然木材とCNC加工アルミニウム・プレートを組み合わせたトップ・プレートとボトム・プレートによって上下から挟み込む独自の「エキソ・スケルトン・クランプ」構造とすることで、キャビネット振動を抑えこんでいます。これも、異種素材の融合から新しい価値を引き出すソナス・ファベールならではのコンセプトです。
また、ボトム・プレートには、床面から伝播して再生音に影響する不要共振や振動成分をキャビネットに伝えることがないよう、新規設計のスチール・スパイクを組み込みました。

キャビネット天面と底面にアルミニウムプレートを設置。
床からの不要共振や振動成分を排除する、新設計のスチール・スパイク

ユニット

高域ドライバー・ユニットは、強靭なアルミニウム・ダイキャストのフレームにマウントされた28mm口径のシルク・ソフトドーム・ツイーター。ドームの頂点を、アーチとリングにて部分的にダンピングすることでダイアフラムの逆相挙動を制御する、ソナス・ファベール独自の「DAD(Damped Apex Dome)」テクノロジーを採用。

中域を担うのは、150mm口径ペーパー・コーン型ドライバー・ユニット。セルロース・パルプ、カポック、ケナフといったナチュラル・ファイバーを自然乾燥させた上で圧縮することなく成型した、軽量で高品位なダイアフラムにより、音楽再生の核となる中域をいっさい色づけなく表現します。 いずれのモデルも、この高域と中域ユニットを同一の金属バッフル・フレームにマウントする構成となっており、フレーム表面にイタリアン・レザーをあしらうことで振動要素を巧みにダンピングしています。

ウーファーは、“オマージュ・トラディション”のために開発されたドライバー・ユニットに着想を得て設計された180mm口径コーン型。ダイアフラムは、セルロース・パルプのシート2枚でシンタクティック・フォーム材シートを挟み込む独自のサンドウィッチ構造で、軽量・低質量でありながら剛性が高く、高速なレスポンスと、パワフルで引き締まった低域再現性を発揮する一方、中域・高域ドライバー・ユニットとのシームレスな音色のつながりを実現しています。

レザー張り独立バッフルとしてエンジニアリングされた高・中域。
アルミニウム・ダイキャスト・バスケットを採用した低域再現性を誇るウーファー

ネットワーク

革新的なキャビネット設計と高性能なドライバー設計を活かし、心躍る音楽再生を実現するため、“オリンピカ・ノヴァ ”のクロスオーバー・ネットワークは、“オマージュ・トラディション”や“アイーダII”でも採用した「パラクロス・トポロジー」に基づく回路を継承。
高周波干渉に強く、トランジェント特性の向上やノイズフロアを低く抑える上で有効なソナス・ファベール独自の回路設計で、各ドライバー・ユニットの振幅/位相特性、空間/時間特性を最適化する一方、低周波数のインピーダンスを最適に制御して様々なアンプに対応することができます。
また、パーツの一つひとつを再検討し、厳選を重ねる中で、英国クラリティー・キャップ社とコンデンサーを共同設計するという、ソナス・ファベールとしては初めての手法を取り入れました。

イタリアン・デザイン

“オリンピカ・ノヴァ ”では、キャビネットやドライバー・ユニットの設計・製造から組み上げに至るほとんどの作業を、北イタリアの自社工場にて行なっています。スピーカーを素材のレベルから知り尽くした熟練職人による丁寧なものづくり。
そのクラフトマンシップこそは、ソナス・ファベールの大いなる誇りです。

音の要となるネットワーク部も、ソナス・ファベールの熟練の職人によるハンドメイド
ソナス・ファベールに工房にて手作業で組み上げられます。

スペック

・形式
 3ウェイ 5スピーカー バスレフ方式 フロアスタンディング型
・使用ドライバーユニット
 高域:28mm アローポイントDAD シルク・ソフトドーム型“H28 XTR3
 中域:150mm口径ナチュラルファイバー・ダイアフラム・コーン型“M15 XTR2-04”
 低域:180mm口径セルロース/シンタクティックフォーム・サンドウィッチ構造ダイアフラム・ コーン型“W18XTR2-12”×3
・クロスオーバー周波数
 250Hz / 2.5kHz
・周波数特性
 32Hz ~ 35,000Hz
・出力音圧レベル
 90dB/W/m
・公称インピーダンス
 4Ω
・推奨アンプ出力
 60W ~ 400W(クリッピングなし)
・最大入力電圧
 22Vrms
・スピーカー端子
 バイワイヤリング対応(HIGH / LOW)
・寸法
 幅425×高さ1,175×奥行530mm
・重量(1本)
 46kg