Amati Supreme

アマティ・シュプリーム

Sonus faberの代表作”Amati”
その至高を体現する
ハイエンド・スピーカーの極致

Amati

1998年に初めて登場したフロアスタンディング型スピーカー”Amati Homage”
「Amati」の名は、ヴァイオリン製作の流派を確立した偉大な弦楽器製作者Andrea Amati(1505 頃~1577 頃)への敬意を込めたものです。彼はソナス・ファベール社の拠点ヴェネト州に隣接するロンバルディア州クレモナの出身であり、18 世紀まで続く伝統の礎を築きました。

そして今、新たな頂点として「Amati Supreme」が登場します。その名の通り“Supreme(至高)”の称号を冠し、「Amati」の可能性を極限まで高めたモデルです。

構造

キャビネット側面は 同社の上位モデルで採用されているプライウッド構造を継承。
厚みの違うシート状の木材を木目の角度を交互に90度変えて7層に積層させ、プレス機で加圧しながら美しくも強靭さを兼ね備えた曲面を造形しています。天然木によるキャビネットに、アルマイト処理とラウンド・エッジ処理を施したCNC加工アルミニウムプレートをキャビネットの上下に取り付け、挟み込む独自構造「エキソ・スケルトン・クランプ」。キャビネットをダンピングさせ振動成分を抑制するとともに、天然木ならではの豊かな鳴りと適度に引き締まった低域の再生を実現します。

バスレフポートのダクトに適度なダンプをかけ、ポートのチューニングを施すことで低域をコントロールし再生レンジの拡大を図る “Stealth Ultraflex”(ステルス・ウルトラフレックス)機構を継承。
アルミニウム押し出し成形により作られた堅牢なリアポート構造は、歪の原因ともなってしまうポートから排出される気流の乱れを波状のポート出口構造で最適化しノイズを極限まで抑制することで、低域の再現性をより向上させます。

キャビネット天面と底面に搭載するアルミニウムプレート製作風景
キャビネット背面に搭載されたバスレフポート

技術

革新的チェンバー構造

弩級フラッグシップ”Supreme”のために開発をしたコルクを、Amati Supremeの中高域チェンバー内に使用。
コルクは自然素材として自然な響きと吸音性を両立しながら、平行面を排した設計により今までにない有機的な形状を実現、定在波や不要共鳴を最適化に成功しました。
中高域ドライバー・ユニット部のチェンバーを密閉型とし、コルクを内部に配置する事で、ウーファー(低域)の駆動時の背圧の影響を受けず、中高域ユニットのポテンシャルを最大限に発揮。中高域の解像度の向上や音の繋がりがよりシームレスになる事で奏でる艶やかで至極自然なサウンドは、まさしく Sonus faber が求めるサウンドポリシー“Natural Sound”を体現しています。

中高域

【高域】
フロントの高域は 20mm スーパーツィーター、38mm のツィーターの 2 基によって再生され、いずれも Sonus faber の伝統ともいえるシルク・ソフトドーム型を採用しています。本機には同社の独自技術“アローポイント DAD”を搭載していません。それは、スーパーツィーターが 2kHz~40kHz の帯域再生が可能な事、またスーパーツィーター及びツィーターの双方に、ウェーブガイドが備わっている事で、高域特性や分散において非常に優れているためです。

【中域】
”Suprema”のために開発された 165mm 径の“Camelia Midrange(カメリア・ミッドレンジ)”。円形のダイアフラムにより発生する共鳴、そしてエッジ部による回折現象が音質へ悪影響を及ぼす事が分かり開発され、ダイアフラムの周りの合計 5 箇所カットし、更にエッジ部を凹型にする事で、今までにないナチュラルでホログラフィックなサウンドを奏でるミッドレンジとなります。ドライバー部は、2 つの超軽量 CCAW ボイスコイルが搭載された“デュアル・ボイスコイル”構造としながら、カスタムメイドのネオジム・ドライバーを採用する事で、瞬発力ある強力な駆動を実現します。

低域

本機のために専用設計された220mm ウーファーは、これまでにない新たな技術を駆使し、更なる進化を遂げています。
2つの超軽量 CCAW ボイスコイルは、超高速駆動を実現するための 2 つのエア・ギャップを備えたカスタムメイドのデュアル・ネオジム・ドライバーに搭載。新たに開発されたセンターキャップは、剛性に優れたABS樹脂で構成。そしてボイスコイルの冷却を強化する新たなドライバー構造と、後述する「Finite Element Method(有限要素法)」に基づく解析に基づいた最適なパーツ選定により、振幅のスムースネスと可動域の大幅な改善を実現、類をみないパワフルな低域再生は新たな音楽体験を提供いたします。

Network

クロスオーバー・ネットワークの徹底的なこだわりと研究は、同社の創業当時から続くスピーカーの設計において非常に重要な要素です。本機には“Stradivari G2”にも採用された「Interactive Fusion Filtering(インタラクティブ・フュージョン・フィルタリング)」に基づく設計を採用。

搭載するパーツは厳選された物を採用。Jantzen社製インダクター、Clarity Cap社とのカスタムメイドパーツ、MUNDORF社製高品位パーツは、弩級フラッグシップ“Suprema”にも使用していたハイエンド・パーツを惜しみなく採用し、幾度もリスニングテストを重ね厳選しています。

調整機能

弩級フラッグシップ“Suprema”は、Sonus faberの哲学を体現するため、一切の妥協なく設計された究極のスピーカーです。その圧倒的な性能を追求する上で、キャビネット・サイズの大型化、ドライバー・ユニット数を増加する事は必要不可欠です。そのため、本来のポテンシャルを最大限に発揮させるためには設置環境に大きく左右という側面を持ちます。この課題を克服するため、“Suprema”には中高域や低域の音量、さらに位相を最適化できる調整機能を搭載。どのような環境においても潜在能力を余すことなく最適化させる事ができます。

そこで”Amati Supreme”では、”Suprema”の調整機能を基に新たに開発された革新的な機構を採用し、別筐体ではなく背面に調整部を一体化。MID-HIGHおよびMID-BASSを自在に調整でき、設置環境やシステムに応じた最適なカスタマイズを可能にしています。音の純度を損なうことなく、不要なカラレーションを排除することで、あらゆる空間において最高のパフォーマンスを発揮。本機は、フラッグシップの思想を受け継ぎながらも、そのサイズを超えた圧倒的な表現力を備えています。

仕上げ

至高の”Amati”のために生み出された特別な 2 種類の仕上げ「Sabbia Oro(サッビア・オロ)」と「Terra Rossa(テラ・ロッサ)」。
「Sabbia Oro」は“黄金の砂”、「Terra Rossa」は“赤い土”を意味し、いずれもイタリアを象徴する豊かな自然から着想を得ています。光の加減によって日中でも変化するその表情は、まるで自然そのものを閉じ込めたかのように奥深く、時を経ても色褪せることのない美しさを放ちます。

従来の Homage Collection で用いられてきた美しい透明ラッカー塗装とは異なり、この仕上げを実現するためには新たな技術と革新的な工程が必要でした。幾度ものサンディングと色付け、そして光沢 を引き出すためのコーティングを重ねることで、サテンのように艶やかで、粉雪のように繊細な陰影を湛えたまさに工芸品の域に達する仕上がりへと昇華しています。

「Terra Rossa(テラ・ロッサ)」、「Sabbia Oro(サッビア・オロ)」
キャビネット上部に配置された透明な窓。
美しい中高域クロスオーバー・ネットワークを確認できます。

職人技

キャビネットやドライバー・ユニットの設計から組み上げに至るほとんどの作業を、北イタリアの自社工場にて行なっています。スピーカーを素材のレベルから知り尽くした熟練職人による丁寧なものづくり。
そのクラフトマンシップこそは、ソナス・ファベールの大いなる誇りです。

音の要となるネットワーク部も、ソナス・ファベールの熟練の職人によるハンドメイド。
ソナス・ファベールに工房にて手作業で組み上げられます。

仕様

・形式
 4.5ウェイ 5スピーカー バスレフ方式フロアスタンド型スピーカー
・使用ドライバーユニット
 超高域:20mm アローポイントDAD シルク・ソフトドーム型
 高域:28mm アローポイントDAD シルク・ソフトドーム型
 中域:165mm ダンピング・フェーズプラグ搭載デュアル・ボイスコイル構造コーン型(ナチュラル・ファブリック)
 低域:220mm コーン型 × 2(セルロース / シンタクチックフォーム・サンドウィッチ構造)
・クロスオーバー周波数
 230Hz / 300Hz / 1,800Hz / 5,600Hz
・周波数特性
 28~40,000Hz (ステルス・ウルトラフレックス含む)
・出力音圧レベル
 91dB SPL (2.83V/1 m)
・公称インピーダンス
 4Ω
・スピーカー端子
 バイワイヤリング対応(HIGH / LOW)
・寸法
 幅416mm×奥行516mm×高さ1180mm(本体部、突起部含む)
・重量(1本)
 62kg