159

フラッグシップ・モノラル・パワーアンプ

ブルメスターが辿り着いた究極

7年の開発期間

ハイエンド・オーディオ・メーカーとして 40 年以上に渡り世界中のオーディオファイルから高く評価され続けているブルメスターが 7 年もの開発期間を経て、同社史上最大にして最上級のモノラル・パワーアンプ“159”が遂に完成させました。同社からモノラル・パワーアンプが発売されるのは 1980 年代に登場した“850”以来となります(日本未発売)。

本機はブルメスターのリファレンスとする歴代製品群を礎として得た伝統的な美徳を、最先端のテクノロジーと統合することにより、同社がこれまで達成し得なかったレベルまで昇華させた史上最高のパワーアンプです。

フラッグシップモデルとして記念すべき本機は、ブルメスターの伝統と現代的なデザイン・アイデアの双方を内包していながら、その内部構造においても妥協は一切ありません。サウンドクオリティを左右するコンポーネント群は全てドイツ国内によって製造されたパーツによって構成。
その性能と測定結果は、同社がこれまでに製作した中で最もパワフルなパワーアンプであり、アンプ開発における永年の実績と常に最新のアナログアンプ技術の研究を続けたことで成し得た同社技術の粋を尽くした到達点です。

159の外観
天板をスライドさせると、コントロールパネルが露出

可変ダンピングファクター機能

パワーアンプ史上初となる多段階で高精度な“Adjustable Damping Factor(可変ダンピングファクター機能)”が本機に搭載されています。通常パワーアンプのダンピングファクター値は固定されており、スピーカーに搭載されたドライバー・ユニットの制動力に寄与しています。そのためサウンドに大きく影響するパワーアンプ部の「チューニングツール」と言える部分でもあります。

「ノイズレベル」や「ゲイン」は一定で、「位相シフト」も正確に管理した状態で多段階にダンピングファクターを変える事ができるパワーアンプは史上初となります。

「Variable(可変)」モードでは、背面パネルのロータリーエンコーダによって『102~3895 の合計 23 ステップ』まで可変。「Fixed(固定)」モードでは、『4006』に固定されます。
いずれも演奏中の調整が可能で、様々な環境とシステムにおいて最適なダンピングファクター値に設定できることで、リスナーにとって究極的に理想とするスピーカー駆動を実現します。

最新特許技術

従来のブルメスター製品と同様、本機にはリニア電源を採用しています。
リニア電源ならではのリアリズムな音色再現性が高さの優位性を創業当時から変わらず意識しています。一方、それは電源投入より本来のポテンシャルを発揮するまでに一定の加熱時間(ウォームアップフェーズ)が必要となる事も同時に課題として理解していました。同社が理想とするパワーアンプの性能を発揮し、かつウォームアップフェーズの時間を最短とすべく、ヒートシンクの熱容量、静止電流と組み合わせたパワーアンプ熱接続部の研究を重ねました。
その結果『静止電流は加熱段階においても非常に正確な温度測定に基づき調整され、わずか数分後に最適化された動作点に到達し、最高のパフォーマンス維持が可能』な、独自の回路技術(特許出願中)を完成させました。

さらにこの理想となる動作点を安定させるために重要なのは出力素子の温度を電圧によって検出しリアルタイムでフィードバックさせる制御方法です。これらの制御プロセスを、主な音楽信号の周波数帯域外である高周波伝送にて動作させる重要な独自回路(特許出願中)も開発。これらふたつの画期的な特許技術により、本機はウォームアップフェーズの時間を極限まで短くしながらも、最高のブルメスター・サウンドを提供するという大命題を具現化しました。

電源部

本機の内部スペースを最大限活用でき、且つ理想的なパーツ選定、配置など、永きにわたりあらゆる検証を重ね、本機の開発フィロソフィーを体現する最高の電源部を開発しました。理想的なブルメスター・サウンドを追求するためには、トロイダル・トランスを採用したリニア電源部は不可欠です。

本機のためにカスタムメイドされた弩級の 2,500VA のトランスは、完璧な磁気シールド対策がなされ、さらに金属製カバーで覆われています。電源部のフィルターコンデンサーには 188,000uF(47,000uF×4 個)に及ぶ静電容量を有したカスタムメイド・コンデンサを搭載。相互干渉を避けるために微弱な電流を扱う電圧増幅部用のトランスを個別に採用する配慮がなされています。

一方、弩級の電源部により大きな熱が生成されるため、動作時の安全性の担保も必須となります。そのためハウジング底面には多くのテストとシミュレーションにより最適化された熱放散機構を搭載。電源部及びハウジングを効率的に放熱することにより、音楽という複雑な連続信号において、アンプチャンネルは最大限のパフォーマンスを維持する事が可能になり、システムを安定支配する至高のパワーアンプとしての存在を確実なものとします。

フルブリッジ機構

余裕ある最高の電源部を持つ本機は、出力電圧・出力電力の点でも余裕の供給が可能な、チャンネルにつき 2 台のアンプを搭載する高出力フルブリッジ機構(1400W/4Ω)のモノラルアンプです。
そして、出力段は厳選された合計 48 個に及ぶパワー・トランジスタによる 24 パラレル・プッシュプルとし、究極の躍動感と静寂性を実現するドライヴ性能を持ちます。

“X-Amp”技術

フルバランス回路のブルメスター独自アンプ技術、「X-Amp テクノロジー」を採用。大幅な改良を重ね、パフォーマンスデータ、保護機能、トポロジーの観点から見直しをはかり、出力信号の直進性向上、ノイズフロアの大幅低減など、更なる飛躍を遂げました。

また入力から出力までの音声信号経路上にカップリング・コンデンサを一切使用しない「ピュアDC カップリング」。音楽信号に悪影響を及ぼす要素を払拭し、より純粋な信号伝送を可能とする同社伝統の設計も踏襲しています。

Handmade in Germany

熟練職人による信頼のハンドメイド使用するパーツの一点一点をすべて、ブルメスターが独自に設定した厳格極まる品質基準に照らして選定すること。ブルメスターは、変わることなくその姿勢を徹底してきました。
すべてのマニュファクチャリングを熟練のエンジニアによる入念な手作業とし、実際の動作条件下での厳格なリスニングテストを含む、2週間のバーンインを実施するなど、これ以上はないと言えるほどの手間と時間をかけて、至高の品質を実現しています。

Specifications

・形式
 フルブリッジ・モノラル・パワーアンプ(A/B級)
・入力
 バランス(XLR)×1(3番HOT)
・出力
 スピーカー×1、バランス(XLR)×1(3番HOT)
・入力インピーダンス
 15kΩ(XLR)、8.2kΩ(RCA)
・定格出力
 1,400W @4Ω
・周波数特性
   1Hz~410kHz(-3dB)
・S/N
   116dB以上
・全高調波歪率
 0.0008%以下
・ダンピングファクター(4Ω)
【Variable(23ステップ調整可)】
 102-107-112-118-124-131-139-148-157-169-182-197-215-237-264-297-344-401-484-617-856-1405-3895
【Fixed】
 4006
・消費電力
 2,500W(最大)、電源ON無信号時:280W、1W以下(待機時)
・寸法
   W525×H420×D660mm
・重量
   180kg

ブルメスター社製機器のバランス入力およびバランス出力は“3番HOT”です。