伝統のリュート形積層キャビネット
曲線を描くリュート形キャビネットの側面パネルは20枚のウッド・シートから成る積層構造とし、上面と底面には無垢のソリッド・メープル材を使用して可能な限り剛性を高めています。表面の隣接するメープル・ウッドピース間には黒色ダンピング材を挟み込んで縦方向の振動モードを分散しています。キャビネット内部には特製の補強リブや補強構造を要所要所に設けて、万全の振動対策を施すとともに定在波の発生も防いでいます。さらに、スパイク受けを標準装備した新しいワンポイント・スパイクの前後の高さを変えてキャビネットを後方に6°の傾斜をもたせて全ドライバー・ユニットの音源位置を揃えることで、放射波の位相の最適化が図られています。
リング・ラジエーターによる優れた高域特性
シルク・リング・ラジエーターは、この種のラジエーターではもっとも表現力に優れたものです。過去のメタル振動板を採用したリング・ラジエーターと比較して、シルク・リング・ラジエーターは帯域幅、指向特性ともに優れており、ドーム状ダイヤフラムの利点をも備えています。デュアル・ウェーブ・ダイヤフラムから前面に放射される音波は、中央部のデフューザーによって巧妙にコントロールされます。
新開発のミッドレンジ・ドライバーによる充実した中域特性
ミッド・レンジには、ブラック・ウッドファイバー・コーンおよびシンメトリック磁気回路を備えたカスタム・メイドの150mm径ドライバー・ユニットが採用されています。ランダムに配列された繊維構造をもつダイヤフラムによりコーンの分割振動を抑えるとともに、ダイナミック・リニア・サスペンションの採用により自然で分解能に優れた特性を実現し、システムの要となる中音域を生々しく再生します。ドライバー・ユニットの背面はキャビネット内部のバック・チェンバーで被われ、コーンの背圧を磁気回路センターの通気口を通じてこのチェンバーに導くことで小音量時のリニアリティを大幅に改善しました。また、このバック・チェンバーには口径を拡大したミッド・レンジ用のバスレフ・ポートを装備して低域のレンジを広げて、ウーファとの滑らかな帯域のつながりを実現しています。
メタル・ウーファ採用の豊かな低域特性
低域ドライバー・ユニットには高剛性・低質量のアルミ・マグネシウム合金ダイヤフラムを採用した180mm径ウーファを使用し、優れたレスポンス特性と量感豊かな低域再生を実現しました。ダイヤフラムの表面には特殊コーティングを施し、メタル振動板にありがちな固有音を排除しています。特別に設計されたウーファー中心部のコアキシャル・アンチ・コンプレッサー機構は、ウーファの背圧を緩和してダイヤフラムのより忠実な動きを保証し、ボイス・コイルの放熱効果も向上させます。キャビネットの内部容積の大部分を占めるウーファー部のバック・キャビティには口径を拡大したロング・バスレフ・ポートを装備し、拡がり感のある伸びやかな中低域を実現しました。
音質最優先のクロスオーバー・ネットワーク
ネットワークは、全再生帯域にわたって振幅と位相の両特性が最適となるように設計されました。位相特性を優先させた2次フィルターのクロスオーバー・ポイントを400Hzと2.3kHzに設定し、ミッドレンジ・ドライバーを中心としてツイーターとウーファのつながりがもっとも滑らかとなる周波数特性を実現しました。ネットワーク回路には、音質を考慮した特注コンポーネント、素材と構造を吟味した内部配線材など、考えうる最高のものを投入しました。
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